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Google Colabの導入【2025年版】


Google Colab は初心者から上級者まで広く利用されているクラウドベースの Python 実行環境です。Google アカウントひとつで、今すぐに無料で使うことができます。

<概要>

  • Google Colab の具体的な始め方、使い方(画像あり)
  • ショートカットや機能
  • それぞれの料金(+無料版)でできることについて

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目次

Google Colaboratoryとは?

Google Colab(正式名称:Colaboratory) は Google が提供する、Jupyter Notebook をベースにした無料の環境で、以下のような特徴があります:

  • ブラウザ上で Python コードを簡単に実行可能。
  • 無料で GPU/TPU を利用可能(制限あり)。
  • Google Drive との連携でデータの保存や読み込みが可能。
  • TensorFlow、Keras、PyTorch など、ディープラーニングの主要ライブラリが利用可能
  • 必要なライブラリは自分で自由にインストールできる。

ブラウザ上で動くので、パソコン一台で手軽にディープラーニングの学習や実験を始められます(自分でGPU等をセットアップするのはかなり面倒です!)。

TPU(Tensor Processing Unit)は、Googleが開発した機械学習専用のアクセラレータです。PyTorchでも使えますが、主にTensorFlowでの高速処理を目的に設計されています。
特別な理由がなければ、情報も豊富でトラブルシューティングも容易なGPUを使う方が開発はスムーズだと思います。

Google Colabの使い方

ノートブックの作り方

Google Colab を使い始める手順は非常に簡単です:

      1. Google アカウントにログインします。
      2. Google Colab にアクセスします。
      3. 「新しいノートブックを作成」をクリックして、新しい実行環境を開きます。

Google Colabでの「新しいノートブックを作成」の説明。

ステップ3.でGoogle Colabにアクセス

これだけで Python のコードをクラウド上で実行できる環境が整います。画面右上のタイトル(下図:Untitled0.ipynb) をクリックすると、そのままタイトルを変更できます。".ipynb"はノートブックの拡張子です。google colabのノートブックのタイトルの変え方。

セルの作成・実行・削除

下図の黒い細長いボックスが「セル 」で、セル単位でPythonのコードを実行していきます。セルにコードを書き、左側の矢印マークを押すかショートカットのShift + Enterこれはぜひ覚えてください!)で実行でき、出力がある場合はセルの下に表示されます(下図の場合は1+2の結果、3が表示される)。

セルの真ん中付近にカーソルを置くと、「+コード」「+テキスト」と表示されます(ノートの左上にもあります)。「+コード」でセルを追加するとPythonを実行できるセルができ、「+テキスト」を押すと、メモや説明を書くためのセルが下に追加されます。

タイトルを書きたい場合、セルの最初に「#」をつけて#タイトルと書いて実行します。さらに行頭を「##」「###」とすることでサブセクションへと階層を下げられます。

最後に、一番右のゴミ箱マークを押すと、セルを削除できます(ショートカットはCtrl+M D)。

google colabのノートブックでのセルの作り方、セルの実行の仕方、削除の仕方を説明。

ライブラリのインストール

Google Colab には多くのライブラリがあらかじめインストールされています:

      • NumPy、Pandas、Matplotlib などのデータ分析ライブラリ
      • TensorFlow、Keras などの機械学習ライブラリ
      • その他、多くの一般的な Python ライブラリ

プロジェクトに応じて追加インストールが必要な場合は、以下のコマンドで簡単にライブラリをインストールできます:

!pip install <ライブラリ名>

例えば、最新バージョンの TensorFlow をインストールするには以下のように記述します:

!pip install tensorflow

ランタイムがリセットされるとインストールしたライブラリは消えるため、必要に応じて再インストールしてください。新しくノートブックを開く場合も同様です。

Geminiによるコードの生成

ColabにはGeminiがデフォルトで使えるようになっています。使い方は以下の通り。

  1. 画面右上のダイヤのようなアイコンを押す
  2. 画面下部の「ここにメッセージを入力」に質問、指示を入力してEnter
  3. 会話形式で指示とそれに対する返答(code)が表示
  4. コードの右上のボタンで結果を「コピー/セルとして挿入」する

Geminiのウィンドウはステップ1を繰り返すことで複数つくれ、タブで管理されます。下の例では "load mnist data"と指示をしました。

また、セルにコードを書くときにもAIによる”予測変換”が表示されます。これは今書いているコードとその前のコードを下に予測しているものです。行頭に#をつけてこれから何を書くかのコメント(説明)を書いて改行すると、コメントを元にコードが生成されます。例えば"3x2でsubplotsでXXXの結果を表示する"などとコメントを書くと、そのコードをまるまる書いてくれたりします。Tabを押すことでそのまま"予測変換"が補完されます。

google colabのノートブックでのGeminiの使い方の説明。Geminiのウィンドウの作り方、タブの管理、コードの生成方法などを図解。

Google Colabの設定

GPUの使い方

Colabでは、無料版でもGPUを使えます。ノート上部の「ランタイム」というタブを開き、「ランタイムのタイプを変更」をクリックしたら、「ハードウェア アクセラレータ」の中から「GPU」を選択し、「保存」を押したら完了です。

google colabのノートブックでのセルの作り方、セルの実行の仕方、削除の仕方を説明。

Mount Google Drive

Google Drive はクラウド上のストレージで、Google アカウントさえあれば無料で15 GBまで使えます。Google Drive をマウントすれば、Google Drive内のデータをノートブックから読み書きできるので、ぜひ活用しましょう。手順は以下の通りです:

  1. 以下のコードをノートブックに記述して実行します。
  2. 認証を求められるので、指示に従って認証を完了します。
  3. これで Google Drive が /content/drive にマウント (mount) されます。
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')

Google Drive 内のデータを読み込む例:

import pandas as pd
df = pd.read_csv('/content/drive/MyDrive/your_dataset.csv')

ここで、/content/drive/MyDriveがGoogle Driveのトップになります。

Google Driveをマウントすれば、大量のトレーニングデータや結果などを保存しておくことができるため、できることが一気に広がります。様々な有料プランが用意されており、最安プランだと月額290円で100 GB使えるようになります。フリーランスで Colab と合わせて使う場合は有料版があると安心です。

料金体系

無料プラン

  • 使用可能なハードウェア: GPU/TPU(制限あり)
  • 最大連続使用時間: 約12時間
  • 標準サイズのメモリ

Colab Pro

  • 料金: 約1,179円/月(2025年現在)
  • 使用可能なハードウェア: 高速 GPU/TPU
  • 最大メモリ搭載マシンが利用可能

Colab Pro+

  • 料金: 約5,767円/月(2025年現在)
  • 優先的にプレミアムGPUへアップグレード
  • ブラウザを閉じても最大24時間稼働

お試しで学習などに使うのであれば、無料プランで十分ですが、もしフリーランスなどで使うのであれば、Colab Proがお値打ちです。

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